【恋アス×ビクセン】ジョイフル M10×21 レビュー

4月28日に発表され、5月1日に発売された、「恋する小惑星」とビクセンのコラボ商品「天体望遠鏡 ポルタII A80Mf」「双眼鏡 ジョイフル M10×21」「ルーペ メタルホルダー MT19」。

その内「双眼鏡 ジョイフル M10×21」(以下「ジョイフル」と表記)を購入したのでその使用感を書いていきます。

 

  • ジョイフル M10×21ってどんなもの?

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©Quro・芳文社/星咲高校地学部

「恋する小惑星」1話冒頭の幼少期のシーンで、あおが持っていた双眼鏡。生産終了していたものが、この度のコラボモデルとして復活しました。

なお、漫画版では全く別の双眼鏡を持っていた模様。

スペックは以下の通りです。(ビクセン商品ページより)

倍率:10倍

対物レンズ有効径:21mm

プリズム材質:BK7

実視界:6.5度

見掛視界:59.2度

1000m先視界:114m

ひとみ径:2.1mm

明るさ:4.4

アイレリーフ:7.0mm

至近距離(最短合焦距離):約1.6m

眼幅:約57~71mm

サイズ/高さ×幅×厚さ:8.2×10.8×4.1cm

重さ:176g

三脚取付:不可

星を見るなら望遠鏡じゃないの?と思う人もいるかもしれませんが、双眼鏡は望遠鏡より手軽に星を見ることが出来ます。また、倍率が低い分視野が広く、星団等の望遠鏡の視野に収まらないものを見ることにも適しています。(双眼鏡の視野に収まるとは言っていない)

 

  •  外観

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パッケージには、上述したアニメの1シーンが。

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内容は、双眼鏡本体、巾着ポーチ、ネックストラップ、取扱説明書。

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 本体には「恋する小惑星」のロゴと、くじらのアレ。

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スペック一覧には記載されていませんが、対物レンズにはマルチコートが施されています。反射光が緑色の一般的なコーティングです。

 

  •  感想…の前に

使用するにあたり、以前より所有している双眼鏡「ケンコー・トキナー セレス 8×21 CF」(以下「セレス」と表記)と比較しました。

スペックは以下の通り。(ケンコー・トキナー商品ページより、後継機「セレス 8×21 CF-S」のものですが内容は同じ)

倍率:8倍

対物レンズ有効径:21mm

実視界:7度

1000m先の視界:122m

明るさ:6.76

最短合焦距離(至近距離):6m

サイズ(H×D×W):80×40×113mm

重量:約140g

今回は星空の観測という主旨での比較になりますが、「セレス」はコンサートやスポーツ観戦等を想定しているため、そちらで真の実力を発揮するかもしれません。

購入当時は双眼鏡に対する知識が皆無で、値段とコンサート向けということで購入しました。

値段は「ジョイフル」の4分の1程度の安物です。値段の差もあり「セレス」には辛口評価になってしまいますが、生産終了しているので問題ないはず。

但し、ジョイフルシリーズもエントリーモデルということで安物の部類。ビクセンで星見用双眼鏡だと2万円を超える。

 

  •  使用した感想

まずは月を見てみました。

「ジョイフル」では月の模様がはっきり見えました。そして殆ど気にならない程度ではあるものの色収差が確認できます。

色収差についてはWikipedia等を参照のこと。

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実際に「ジョイフル」とスマホでコリメート撮影した月。スマホ側のピントが合っていませんが、外周の上半分が青く、下半分が赤くなっていることが分かります。

双眼鏡のコリメート撮影がめちゃくちゃ難しいですね。これは折角接眼レンズが2つあるのに1つしか使わないコリメート撮影が双眼鏡の神様の怒りに触れたからです。

コリメート撮影するなら三脚に固定したいけど、「ジョイフル」は三脚取付に対応していません。

「セレス」でも月の模様をはっきり見ることができるけど、色収差が激しい。これは月に限らず明るいものを見ると色収差が気になります。

 

次に、二重性、北斗七星ミザールとアルコルを見てみました。

「ジョイフル」では死兆星ことアルコルは当然見え、さらに周りの4等星以下の星もはっきり見えました。

「セレス」でもアルコルははっきり見えましたが、周りの星がなんとなくぼやけて見えました。(どちらも月にピントが合った状態です。)さらに、天頂付近を見上げたことで、街灯や窓から漏れる光の影響で、視野全体が薄く白みがかった感じに。

 

星を見る目的なら全く関係ありませんが、スペックには最短合焦距離という、どの程度近くのものが見えるのか、という項目があります。

実際に試してみると、「ジョイフル」では約1.5mまでピントが合い、カタログ通り。

「セレス」は約2mまでピントが合う良い意味でカタログ詐欺という結果に。

 

  •  総評

星空を見るなら完全に「ジョイフル」に軍配が上がりました。

全然こだわらないという人には「セレス」のような双眼鏡でも良いでしょう。

 上述の通り「ジョイフル」はエントリーモデルということもあり、初心者に十分オススメできる製品になっています。「ジョイフル」から始めてより高価なものにステップアップしても良いかもしれません。

とりあえず、「恋する小惑星」が好きで星空を見る習慣ができた人は持っておいて損はない製品でしょう。

 

  • 関係ない話

今回はビクセンとのコラボでしたが、他にも強力な協力がいる訳で。

国土地理院とコラボして恋アス仕様の地図とか作ってくれないかな。

イノ先輩が地理的名所を解説してくれる地図とか。

あ、国土百合院創設でもいいですよ。